2022/11/12在宅医療の展望

半年ほど前に厚生労働省のホームページに掲載された「第2回在宅医療及び医療・介護連携に関するワーキンググループ」を読み込むと、今後の日本の医療の方向性が見えてきます。
引用元:https://www.mhlw.go.jp/content/10800000/000911334.pdf

昨夜は、現役の大学担当MRともこの資料を交えながら意見交換をしてきましたが、資料13枚目「働き方改革への対応が求められる」では、6年前と3年前の医師の勤務時間数を比較したデータですが、大学病院など勤務医の残業時間が大幅に減っていることを実感しているとのことでした。
以前でしたら、夕方以降に医局に行くと医師がまだ働いているのでアポを取りやすかったのですが、最近は定時退勤が当たり前で、当直の医師以外はほぼいないとのことで、アポも取れなければ夕方のWEBセミナーや講演会参加もほぼ不可になりつつあるそうです。
これは、製薬会社側からの視点で働きかけにくくなった訳ですが、国としては労働時間の短縮を進めていることが着実に結果につながっているようです。真のワークライフバランスに繋がっているかは定かではありませんが…

こういった現状もあってか、更に在宅医療を勤務医としてやってみたいと思われる医師が増えてきていることを実感します。
ただ、先日医師のエージェントから紹介があったのが「眼科で常勤の訪問診療勤務を希望されている訪問診療未経験医師がいるのですが…」と相談を受けましたが、正直常勤は厳しいと思われます。まずは、非常勤で週1日でも良いので経験を積んだ上で常勤希望ならまだ可能性はあるとは思いますが、、、
訪問診療医は、内科に限らず多岐に渡る診療科の医師がいるので、どの診療科が訪問診療NG診療科になるというわけではありませんが、基本は24時間365日対応が可能で、看取りも含めた対応が可能なことが求められますので、その覚悟がどうしても求められてしまいます。上記の働き方改革の話しとは、相反することになりますが、国が推し進める地域包括ケアシステムには在宅医療の普及が欠かせないことに変わりはありませんが、夜間休日を含めた往診体制の構築が地域に合わせた形で答えを探していく形になるかと思います。
そうは言っても、患者家族側の立場からしてみると(夜間休日対応を外部委託や連携先にした場合)「いつも定期の訪問診療には主治医の医師が来てくれるのに、夜間休日に最期のタイミングとなった場合に初めて会う医師に対応されたのでは…」という気持ちになる部分も無きにしもあらずです。
訪問診療クリニックを立ち上げた医師は、経営が軌道に乗って常勤医師2人目を雇用したタイミングが来るまで、ひたすら院長1人で24時間365日オンコール対応に追われることとなります。その時が来るまで…と孤軍奮闘されるお気持ちもわかるのですが、なるべく早期にどこかしら外部委託なのか?連携できる医療機関を探すのか?しなければ、1人体制のクリニックは院長が倒れられては、いくら質の高い医療を提供できていたとしても閉じざるを得ません。
だからと言って、診療をしながら連携先を探すということを並行してなし得るのは至難の業となります。そういったゼロから調べて実行される労力と時間を、ご自身の時給からご検討ください。一般的な医療コンサルの会社の約半額程度で依頼できますので、費用対効果を考えると必ず意義のある外注だと確信しております!

在宅医療は、外来診療に比べると確かに診療報酬も高く、軌道に乗れば着実に拡大路線を勧めます。
それが資料35枚目にも記載がありますように「少数の医療機関が在宅医療の大半を提供している実態が明らかに。在宅医療の50%は上位4%の診療所」と如実に結果として出ています。
大手にするまでのサポートではないですが、スタートアップから軌道に乗るまでのサポートは確実に出来ると自負しております。